財団法人 松 月 流
平成16年度 事 業 計 画
平成16年4月 1日 より
平成17年3月31日 まで
1・煎茶道に関する調査・研究
2・煎茶道に関する指導者の育成
3・煎茶道普及・奨励のための研究会、講演会、茶会、教室等の開催
4・煎茶道に関する図書・雑誌等の発行
5・会館の設置・運営
6・その他目的達成に必要な事業
『1』煎茶道に関する調査・研究
(1)調査・研究並びに公表
ア)テーマ 煎茶道に関する故事、煎茶道のすすめ他
研究方針
本法人理事長が中心になり、資料を収集、原案を作成し不明な点は、第三
者に委嘱して編集する。
成果の公表
編集された原稿を基に印刷・発行(150ページ前後)し、希望者に対し
て有償(実費程度)、無償で配布する。
イ)煎茶道の文化の伝播の道、茶葉に関する継続的調査
調査方法
国内外の資料を分析しつつ、裏付けのために国内外の適地、韓国、中国、
インド他を選び役員及び会員の旅行時、業務を都度委嘱する。
(2)煎茶道に関する図書、文献、諸用具に関する収集、整理、保存に努める。
資料の種類
@図書=出版されたる新旧図書の購入ならびに寄贈を受ける。
A文献=全国に散在(大学、図書館、団体、個人)する文献のコピーによ
る収録、買入、若しくは寄贈を受ける。
B煎茶用具=各地に散在する用具の収集、買入、若しくは寄贈を受ける。
Cその他=煎茶道発展に資するもの。
保存の方法
いずれも設立時に寄贈された図書、文献(677点)諸用具(278点)
に併せて台帳に記載、登録(写真=評価鑑定書付)し、重要なものは基本
財産とする。
公開の方法
いずれも随時公開し、貸付、提供等については、使用時有償、無償にて供
することとする。
(3)煎茶道に関する教材の研究・開発
教材の対象
世界各地域の茶葉に関するもの。
収集の方法
世界各地に散在する主要産地の協同組合、若しくは業者、商店より有償、
無償にて提供を受ける。
研究の方法
試飲、喫飲等比較・検討し、水色、形状、香味、品質等を含めて常時研究
する。
普及の公開
優秀と認められたものは、口頭、文書、機関誌にて公表し、稽古、研究会
にて試飲若しくは、茶会での採用他普及の為の推薦等行う。
普及の努力
必要と認められた場合は紹介、斡旋(有料)を行うほか茶会、研究会、講
習会等に無料提供する。
『2』煎茶道に関する指導者の養成
(1)研修道場の開設
受講者
指導者=(煎茶道教授)若しくは地区教授者の推薦する資格者を中心に受
講者を定める。
科 目
通常の松月流の手法並びに反復、陶磁器、漆器等の知識、茶道の故事、歳
時記、1週1話(生活の知恵)1週1問答、煎茶花、茶葉の知識などを中
心に研修させる。
教学者
一定の資格を持つ専任講師、特別講師(家元宗家構成者)、学識経験者
(複数)の指導体制による。
回 数
月1〜2回(年限は特に設けない)
場 所
東京(30)、横浜(25)、豊橋(60)、岐阜(10)、 京都(10)
地区にて8ケ所の教場にて法人本部が直接管理・運営する。( )内は定員。
(2)免許状の発行
免許状の種類と認定料
15種の免許状の認可と、5階級の教授職待遇の区分がある。
発行の条件
上記する年限を基準として、所定の手法並びに知識を習得したと認められ
る場合はこれを許可する。
上記の年限は、通常各教室にて年50日の80%以上の出席率を維持した
ものとする。(各級年限は通算合計とする)
発行の手続
@各会員での希望者が所定の書式に免許料を添えて教授者に申請・依頼
する。
A教授者は事務局へ直接、若しくは郵送他にて申請書を提出する。
B法人本部において松月流家元宗家に認証許可手続きを取る。
C許認可は本法人並びに家元の責任において執行される。
D交付は事務局を経由して、教授者に直接、及び間接(郵送他)渡される。
E教授者が申請者本人に手渡す。
F認証式(免状式)参加する場合は、教授者立ち会いのもと家元より直接
個人に授与される。
発行認許料の配分
第『3』項 第(5)に規定する。
(3)松月流指導者連盟に対して協力、支援する。
組 織
松月流の準師範以上によって構成(1,200余名)される会員の団体で
任意の社団形態をとり、教授者、指導者の社会的地位の向上と流儀の発展、
自己陶冶に貢献するために組織されている。
制 度
理事制を採用し総会、理事会等の機関で決定された事を執行する。現在、
北海道、東北、関東、中部、関西、中国地区に23支部と海外(ブラジル)
に1支部を持ち活発に活動を展開している。
役 割
事業・行事の執行、許状の取り扱い、支部の管理等を中心に行っている。
事務局
豊橋市に本部中央事務局を置き、研修道場を活用して補佐させ、事務業務
を行っている。更に24支部(支部長宅)を臨時に地方事務局として活用
している。
法人の関与
本法人は、松月流指導者連盟をパートナーとして位置ずけ、法人の不足部
分を補い、行事の協力、その他重要な役割を担うに鑑み、人的援助、助成、
相互補完の体制でのぞんでいる。よってその活動を後援、援助する。
別紙、行事経過及び予定表参照。
『3』煎茶道普及・奨励に関する諸事業の実施
(1)研究会の開催
ア)目 的
希望者に対し高度な知識を習得せしめるために実費程度で研究会を実施・
開催する。
対 象
希望する松月流の会員。
場 所
東京(30)、豊橋(60)、岐阜(15)、京都(10)4ケ所で開設・
実施する。()内は定員人数を示す。
内 容
高度な松月流の手法、四季、歳時にまつわる茶礼・茶事、故事にちなんだ
茶の話題、その他研究の対象となるものをテーマとして開催。
回 数
月1回年間10回とし、8月・1月を休会とする。
イ)その他
その他、松月流指導者連盟本・支部の主催する研究会に対して、随時要請
に応じて講師を派遣する。
(2)講演(習)会の開催
ア)目 的
広く煎茶道の普及に資する。
対 象
松月流会員、同紹介者、不特定の第三者を含めた広範なものとする。
(50名以上の人達を対象とする)
講 師
当流家元を始め、当法人専任講師、学者、文化人、他その道の専門家に依
頼する。
内 容
茶の心、煎茶道とは、煎茶道の歴史、東洋・日本の陶磁器、ティーロード
の話題等々また映画、スライド、ビデオを併用して普及に資すテーマを選
択する。
回 数
本法人が関与・主催するもの5回、松月流指導者連盟本・支部主催の講演
会に協力する。
場 所
北海道、東京、豊橋、名古屋、京都他とする。
イ)講習会について
各地の公益団体、百貨店の各文化事業並びに各種文化団体に協力して、規
模・内容に応じて1日煎茶教室、短期講習会等の開催に講師を派遣するな
ど協力する。
(3)主要行事、各種茶会開催並びに協力、後援をおこなう。
従来からの主要行事に積極的に協力する。
○松月流煎茶道芸術祭「春期・秋期」
内容・目的
茶(番茶・煎茶・玉露・抹茶・花茶他)と付くものを総合的な美意識と道
具組によって展開され、通常10席以上の各席各様の趣向による展覧茶会
開催の実行委員会を組織し、併せて家元宗家並びに松月流指導者連盟の協
力の下に実行する。
○全国大会の協力
内容・目的
宗家の活動方針、報告及び内外情勢の披瀝。
本法人の目的、方針、重要事項の相談、背景説明、諸役員の紹介、昇級者
の認証、表彰式、講演会、茶会等を実施するに伴い協力する。
○高松宮癌研究基金募金茶会の協力
内容・目的
高松宮妃癌研究基金募金の為の奉仕、慈善茶会の性格を持つ。
○社団法人・全日本煎茶道連盟の全国煎茶道大会並びに同支部茶会への協力
内 容
上記連盟傘下38流派の内、約20流前後の協力により、全国煎茶大会が
毎年開催(5月第3土曜日・日曜日)され、加盟責任流派として協力する。
他の行事、即ち東京煎茶大会、愛知支部茶会も同様積極参加する。
○各地区の茶会、行事に協力、支援をする。
第『2』項第(3)に従い、別表にある各地の茶会、行事に積極的に協力、
支援する。
法人の関与
松月流煎茶道芸術祭「春期・秋期」については主催団体でとして別実行委
員会を組織して会員の団結の為に実施する。他の行事に関しては名義後援、
役員の参加協力、支援関係とし、金銭の関与はしない。
4)煎茶教室の開設並びに奨励
内 容
当法人の定める位階に応じた手法(技能)並びに知識を伝授する。希望者
に対し免許状を発行・交付する。
開設者母胎
報道関係の付属機関、デパート(友の会)、各種文化センター、各種学校
等の経営母体が中心となる煎茶教室。
対 象
希望する第三者に対して、普及活動の一環として受け入れる。
場 所
関東(8ケ所)、中部(4ケ所、)関西以西(3ケ所)
受講者総数
150名に及ぶ。
法人の関与
本法人に依頼する母胎と契約し、経営権を除くゆだねられた管理・運用権
を保有し、的確なる講師を派遣し、効果的に普及する努力をし、指導者の
育成を図る。
5)本法人が奨励する煎茶教室並びに普及活動への助成
内 容
当法人の定める位階に応じた手法にて、技能と知識を伝授する。希望する
者には、免許状を発行・交付する。
設置者
本法人に所属する教授者250余名が効果的に自由時間を活用し、教場の
開設、若しくは依頼されて普及のために設ける。更に1,000名余の指
導者が特定地域にて普及努力をする。
対 象
希望する全ての人に、有償、無償にて普及活動の一環として実施する。
1都1道2府20県(茨城、千葉、神奈川、静岡、愛知、岐阜、三重、
石川、岡山、島根他)の主要都市町村の自宅若しくは、公共施設、文化
センター、神社・仏閣、各職域、学校群等に設置・開設される。
総 数
影響力の及ぶ範囲として5,000名に達する。
法人の関与
本法人は、教授者及び指導者に対して、その活動を奨励するために、免
許を発行する。
各級教授者の受け取る謝金(月謝、講師料、謝礼)については関与しない。
教材の確保
本法人に於いて紹介、業者の紹介はするも、各教授者並びに指導者である
受益者の負担とする。場合によっては、無償若しくは一部有償にて援助
する。
『4』煎茶道に関する図書・雑誌の発行
(1)機関紙(誌)の発行
内 容
本法人の事業、行事並びに煎茶道普及に関する全てのことを、松月流指導
者連盟と提携して発行する。
回 数
年12回とする。
紙 面
B4版。普通コピー紙、一部カラーとする。
部 数
3,000部。
(2)教科書の作成
内 容
当流の手引き、手法を中心とした内容で編集・出版する。
既刊1〜5については随時再版し、6以降の発刊に努力する。
部 数
各1,000部(初版)を目途とする。
体 裁
A5版。アート紙、一部カラーとする。
配布の方法
松月流指導者連盟に委託し、各事務局より教授者、各指導者及び必要とす
る会員に実費で配布する。
(3)チラシ・パンフレットの作成
内 容
本法人の目的、普及のための事業、行事、計画、道場、教室案内等記載の
チラシ・パンフレットとする。
枚 数
3,000〜5,000部。
区 分
チラシ1回、パンフレット2回。
(4)視聴覚教材の制作
内 容
煎茶道に関するもので、茶会等行事録、煎茶道具、道具飾り、陶磁器、講
義録、手前等、他テレビ番組の中より選択し効果的に制作する。又、会員
より寄贈を受ける。
近年発達めざましいインター・ネットの活用を図る。
種 類
1)写真・2)スライド・3)パネル・4)映画・5)ヒデオ6)インター・
ネット
保存と利用
本法人事務局にて資料として保管し、必要に応じて研究会、講習会、講演
会その他の求めに応じて貸与、若しくは発信する。
『5』煎茶道会館の設置・運営
(1)会館の設置
目 的
生活芸術、伝統文化としての煎茶道を更に振興・発展させるためには、総
合的な会館、若しくは研修道場が必要である。会館の取得方法を計画的に
調査・研究する必要に鑑み専門部会を設置する。
理事(2)、監事(1)、評議員(2)、専門家(1)
以上の構成で小委員会(部会)に検討を委託し取得を図る方策を思量する。
『6』その他目的達成に必要な事業
(1)役職員の協力
行事の参加
松月流として年間130回に及ぶ茶会、行事が執行され、それらに役員
(理事・評議員)が積極的に参加、応援する。
関与の方法
地区に近い役員が受益者負担にての協力である。
(2)事務局の運営
事務局
当法人以外、家元宗家本部、松月流指導者連盟本部等々と相互補完の関係
にて円滑なる運営に資している。
執 行
事務全般と別紙に関する各種の事業・行事の執行に当たる。
以 上
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